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ひみつジャナイギャラリー

「ひみつジャナイギャラリー」沖野あゆみさん、藤岡友美さん、障がい者支援施設スマイル インタビュー1

2020.01.28

「沖野あゆみ×山澤商店」、「藤岡友美×振鷺亭」に出品している沖野さんと藤岡さんはどのように制作しているのか、障がい者支援施設スマイルを訪ねました。

 

山澤商店の軽トラックのラッピングと倉庫シャッターの絵を描いた沖野さん。

山澤さんから送っていただいた写真から沖野さんがセレクトしたものをオイルパステルで描きました。

道後に自分の絵があり、また軽トラックが走り回って様々な人の目に触れることを「とても嬉しい」と語ってくれました。

山澤さんがスマイルに軽トラックで来てくれたのも嬉しかったと振り返ります。

構図は考えずに描き始め、まず色を塗って、次はどんな色にしようか、とササっと描き進めていきます。

お気に入りの題材はSF漫画「銀河鉄道999」のメーテル。

今後挑戦したい題材を尋ねると「風景」と答えてくれました。

 

 

 

折り紙や広告の紙を鶴のように折った「おつるさん」を貼り付けて、ウェディングドレスやウェディングケーキを作っている藤岡さん。

遠い親戚の結婚式の様子を聞き、イメージを膨らませて、作っています。

振鷺亭の作品の空間は、結婚式会場と着替え室と準備室で、現在も構想は膨らみ少しずつ作り上げています。

「今度は緑の花のブーケを作ろうと思っている。ブーケは吊るしたい」。

藤岡さんの作品はこれからどんどん増えて、いつか振鷺亭を埋め尽くし、「おつるさん」でいっぱいの結婚式場の空間が出現するはずです。
2回、3回と訪れてみてください。

藤岡さんはなぜ鶴を折るのか?

スマイルの職員、田村恵理さんは「最初は鶴を平面に貼っていたら、着物に貼ってみたいと鶴いっぱいの着物ができて、ドレスにも鶴を貼るようになり、それから5年間鶴を折り続けていろいろな物に貼っています。以前は鶴らしい鶴だったけど、今は鶴らしくない鶴です」と言います。

 

インタビュー中、沖野さんは車椅子で静かにニコニコ笑い、ポツリポツリと答えますが、藤岡さんは私たちに伝わっていないと見るやすぐ立ち上がってホワイトボードに文字を書いて答えます。その姿を見て相好を崩す沖野さん。

静と動。ゆるやかにいい時が流れます。

 

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「障がい者支援施設スマイル」が施設としてアートの取り組みを始めたのは、10年ほど前、大野恭子理事長がアウトサイダーアートのキュレーター櫛野展正さんの講演を聞いてから。

障がいのある方から湧き出てくるものを汲み上げるような取り組みをしたいと思い立ち、講演後すぐ「うちにも講演に来て下さい」とお願いしたと言います。

 

だからといって施設の利用者はアートの取り組みを無理強いされているわけではありません。

沖野あゆみさんが絵を描いたり藤岡友美さんが鶴を折ったりするのはスケジュールの中でするのではなく、「ご本人のやってみようかな、という雰囲気を察知する」と職員の田村恵理さん。施設の中で絵を描く場所も、個人個人によって違います。オープンスペースで描く方もいれば、見られるのが嫌な方は個室で。

 

職員の藤原岳さんは、「やりたいことは利用者さんによって異なる。それを見つけてあげて、本人にできない部分があればお手伝いする。だから必ずしもアートでないといけないわけではない。俳句を作られる方もいれば、麻雀される方もいれば、将棋やオセロが好きな方もいらっしゃる。施設の利用者一人ひとりに寄り添うことが大事だと思う」と言います。

スマイルの利用者の絵は山澤商店倉庫のストックギャラリーに展示。また、絣屋に展示しているTシャツを描いた方もいます。道後アートをきっかけに何十年ぶりに筆をとった方もいて、「こんな色がいいかな」と利用者同士が相談しあったり、「すごいのが描けたね」と職員とも話し合ったり、コミュニケーションのきっかけにもなりました。

 

「職員にも利用者さんにも、アートに興味のある人もいれば興味のない人もいる。そんな中で、気持ちを汲んでくれる職員がいて、アートの取り組みができた。そして人生をより豊かにされている利用者さんが出てきているのはすごく嬉しい」と大野理事長は微笑みました。